今日は捨てられない服のことを書きます。捨てられない服というのは、黒いダウンコートのことです。
昨日わたしは、夫に自分の3着のコートにイチャモンをつけられた話を書きました。それで、イチャモンをつけられた3着のうち2着は捨てたのですが、この黒いダウンは捨てることができませんでした。
捨てられない主な理由は「高かったから」なんです。
貧乏くさいと夫に言われた14万円の黒いダウン
夫がわたしの3つのコートにイチャモンをつけた、そのイチャモンの内容のうち、「貧乏くさい」というのがありました。
「貧乏くさいって、一体どのコートのこと?」と確認してみると、何と3つのうち、一番高価なコートでした。
「えっ!? でも、これ14万円もしたんだよ!!」と、わたしが言うと、さらに夫はビックリしていました。
イタリア製のフード付きの薄手のダウンで、それだけでも着られるのですが、外側にステンカラーを着るように出来ていて、真冬は二重で暖かい上、ビジネスシーンでも着られるキレイ目。
まだわたしが会社に勤めていた頃、仕事用にも着ていかれるように購入したのですが、カジュアルにもビジネスにも…というスグレモノでした。
そして、ダウンだけでも着られますし、ステンカラーだけでも着られるという、二度も三度も美味しいコートだったのです。
14万円は「高い」と思いましたが、お店で試着してみると、黒なのに、ちょっとAラインでシルエットが女性的で可愛らしさもあり、一目ボレして買ったものでした。
ちょうどそれまで使っていた冬のダウンが傷みはじめ、コートを買い替えなければ…と思っていたところ、出会ったコートでした。
わたしは背も高く、手足も長いので、日本の既製服だと袖が短いということが多いのですが、イタリア製のこのコートは、わたしの長い腕もすっぽりと包み込み、着心地もよかったのです。
このコートを着ていると、自分自身が華奢に感じられて、そんなところもお気に入りの理由でした。
このコートを着て会社に行くと、「この人はオシャレだなあ」とわたしが思っていた女性上司に褒められました。それで、わたしはさらに気を良くしていました。
そして、仕事には毎日着て行きましたし、大活躍のコートだったのです。「14万円もしたけど、このコートはお買い得だった」と、大のお気に入りでした。
そんなコートを、ウチの夫は「貧乏くさい」とのたまったのです。
「!!!!!」ですよね〜。
なぜ貧乏くさいか?
ところで、このコートがナゼ貧乏くさいのか、理由を考えてみました。一番は「黒だから」だと思います。
黒は、上手く使えば定番カラーとして重宝しますが、コートみたいに、全身を覆うようなものだと難しいのかも。
「彩(いろどり)のなさ」が、寂しく、貧相に見えるというのはありそうです。
それと、実は暖かいのですが、外側に着ているステンカラーです。ステンカラーは、春や秋に着る薄手のコートです。その素材感が「寒そう」に見えるのかも知れません。
真冬に寒そうな服を着ていると「それしか着るものがない」「貧しい人」に見えるのではないかと思いました。
高価なものは捨てられない
夫かイチャモンをつけた3つのコートのうち、2着は、スンナリ捨てることができました。1着は1万2000円くらいのコートで、もう1着は3000円でした。
ところが、14万円もすると、同じように「サクッと」捨てることができないのです。
金銭感覚は、人それぞれなので、14万円を高いと思うかどうかはわかりませんが、個人的には、コートで1万2000円というのは「まあ普通かな」、3000円は「安すぎじゃない?」という感じがします。
そういうわたしにとって14万円はとても高額なのです。夫も14万円と聞いて、
「それは捨てなくていいよ。14万円だったら、俺も捨てられない」と言っていました。
ついに今年の冬、一度も出番がなかった
そして、このコートですが、ついに今年の冬、一度も着ることはなかったのです。昨年までは、夫とではなく、一人で外出するときにたまに着ていました。
やはり、この14万円のコートを見ると真っ先に「貧乏くさい」という言葉が浮かんでくるのです。
それに、黒という色のせいで、会社に行かなくなった今、主な外出といえば、近所のスーパーに行ったり、カフェでお茶したりするくらい。
そういうときには、どこか堅苦しい感じがしてしまうということもあります。
「それなら捨てようか」と自問すると「14万円もしたのよ!」と自答します。もしこのコートが3000円だったら、他のコートと一緒に、とっくに捨てていたと思うのです。
一時はお気に入りで大活躍してくれたコートです。2万円くらいまでだったら、「十分元は取れた」と思って、楽な気持ちで手放すことができそうです。
3万円は微妙です。5万円くらいから「5万円もしたのよ!」って、わたしならば思い始めそうな気がします。
14万円は、そもそも、わたしには高すぎる買い物だったのかも知れません。借金して買ったわけでもないですが、わたしは服にそこまでお金をかけるものではないと、今は思っているということです。
「使い倒したときにスンナリと手放せる金額」というのを、お買い物の予算の上限として設定しておけば、持ち物を断捨離するときに悩まなくて済みそうです。
この14万円のコートは、そのことをわたしに教えてくれたのかも知れません。